シュリ日和

まいにちに生きる

夏だった

 

 

どうしても海に入りたくて、東京近郊の海に入りに行った。これまでも時々は海に行くことはあっても入ることはなかったので、入ったのはいつぶりか思い出せないくらい久しぶりのことだった。

 

家から水着を着て行ったので、ビーチでワンピースを脱いでそのまま海に入れるというコンパクト仕様をシュミレーションしていったのだが、その通りに。イメージングは大事。

ひとりで海に入って波が来る度に「ふー!」とか「いぇーい!」とか呟きながら楽しんでいたら、ものの10分経つか経たないかのうちに、左手首にチクッと激しい痛みが走った。「何事?!」と思い海面に腕を上げると、変な赤いゲジゲジみたいなのが2匹?手首にくっついていたので、すぐさま手ではらったが時すでに遅し。どんどんチクチクしてきて、明らかにゲジゲジに刺されたのが原因のようだった。初めてのことだったのでそのまま放置して悪化したら嫌だと思い、泣く泣く海から上がり海の家でシャワーを借りて真水で患部をよく洗う。あんなに海に入るの楽しみに来たのに、10分ほどで終了するとは😭トホホ。

仕方ないので気持ちを切り替えて、オシャレな海の家でオシャレなドリンクを飲んで気を取り直した。クランベリーフローズンドリンク。ドラゴンフルーツがトッピングされていて南国気分で一気にごきげんに♡コンビニで買ってきてた大好きなかたぶつ(塩揚げおかき)をポーチに入れてたので、さり気なくポーチに手を突っ込んで周りに気づかれないように食べながら、ひとときのんびりと過した。

その後ビーチにパラソル代わりの日傘を挿して日をよけながら高校生くらいの男の子たちのグループがはしゃいでるのを見たりして過ごす。砂浜から猛ダッシュで海に飛び込んで泳ぎ出す子とかがいて、なんかよかった。男の子って高校生くらいの頃はまだこんなに無邪気なのに、社会に出るといきなり責任ある仕事を任されたりなんかするようになるって、地獄だな、なんて思ったりして。

できることならずっとこのままでいて欲しい。ずっと馬鹿みたいなことやってはしゃいでいて欲しい。そう願っていた。

砂浜でじっとしてるのも暑くなってきたので、さらに岩場の方にまで足を伸ばし、カニを見つけたので捕まえてやろうと思ったが、かなり動きが早くて逃げられた。まあ、捕まえたところで、どうすんのって話だったんだけど、、。

とにかく海に入っていた時間が短かすぎたため、夕日が沈む時間までまだ大分ある。どうしよう?一旦考えようと思い、日陰のある松林のところでぼーっとしていたら、男の人に声をかけられた。

「○○(そこの海)は初めてですか?」とかなんとか。「いえ、何度か。」「サップやりました?」「ああ、サップ楽しそうですよね!やってみたいと思ってました。今日は海に入りたくてきたんです。」「海入ったんですか?!」「はい!家から水着着てきたんで!」「…え?そうだったんですね。」

(なんとなくだけどここで、水着着てたんだぁ〜…見たかったな…という心の声が聞こえた気がした。笑笑)

「……さっきビーチの方で見かけてヨーロッパを感じさせる雰囲気の素敵な人だなと思って。」なんてキザなことを言われる。「ありがとうございます。」とニコッとしたが、お茶でもどうですか?とは聞かれず、、(笑)中途半端なナンパだった。

でもその人はいい大人って感じの人だったので、「今度会えたらサップやりましょう!お金取らないんで笑」なんて明るく笑ってバイクで去って行った。

悪い気はしなかったけど、キザなセリフより「一緒にビール一杯飲みませんか?」って軽くストレートに言われた方が「いいですよ。」って応えやすいのになぁ〜…せっかく声かけたんだから、ダメ元で聞きゃあいいのに、なーんて思ったりなんかして。。

運良く楽しいひと時過ごせたらラッキーじゃんかって思うけど、やっぱりいい大人になると断られて嫌な思いするのもあれなんだろうな。だから、これはいけそう!という確証がないと誘ったりはしないのだろう。

大人になるとどうしてこうつまらなくなるのだろう。

さっきの馬鹿みたいにはしゃいで海にダイブしてた男の子たちを思い出したら、爽やかな気持ちになった。

 

結局夕日が沈むのを待てず帰ることに。

 

時間は短かったけど、今日私は海に入った。

それはとてもよいことだった。