シュリ日和

まいにちに生きる

身体の物語

 

昨日は予告していた''身体の声を聴く・身体の物語を表現する''ワークショップに参加した。5月に声のヒーリング・アートオブボイスのワークショップで一緒だったYさんとも再会する。参加者は6人。それぞれ個性の違う大人の女性たちが集まった。

すみれ先生のワークの進め方は前回同様とてもテンポがよく、想像を超えた展開を体験させてもらう結果に。

 

それぞれの身体のストーリー

 

最初、ヨガマットに寝転び身体中の各箇所をゆっくりと感じる時間(誘導瞑想のような)をとり、その後、いま感じた身体の絵を描いてみましょう、とイメージ画を描かされた。それから自分が描いた絵と対話してみましょう、と対話の時間を与えられ、さらに絵と自分との会話を紙に書いてみることに。絵から聞こえるコトバは左手で書き、自分の意識の方は右手で。これはスラスラと出てきた。最初からストーリーが決まってたかのようにスムーズに書けた。それは、絵を描いたときに出てきていたコトバがすでにあったから。

 

離れ離れ

一体感がない

 

瞑想中、頭や顔(主に目)の辺りは鮮やかな色が見えていたのに対し、胸から下に行くにつれて感覚の輪郭はぼんやりとなっていき、上半身と下半身がひとつに繋がっているように感じられなかった。

その感覚から身体との対話はスムーズに行われた。


※以下 身体の声『』私の声「」

 

『どうしてこうなったと思う?』

「理由があるってこと?」

『どう思う?』

「…理由あると思う」

『そうだね』

(哀しいことが沢山あったから (人に言えない))

『こころとカラダが離れ離れになってしまった。元はひとつだったのに。』

「上の方と下の方が離れ離れに感じる理由?」

『そう』

「誰のせいだろう」

『もうわからない。忘れてる。』

「思い出したら何かが変わるかな?」

『…変わりたい。戻りたい。』

「私に何ができるだろう?」

『あなたが本当にしたいことをして。そうしてほしい。』

 

といった会話だった。

 

次にすみれ先生は、今描いた絵のどこか1箇所を取り上げてそこだけの絵を描くように言う。暫く固まっていたら声をかけてくれた。そして私の内なる声を引き出してくれたことにより、一番印象の薄かった胸の部分と下腹部(女体)をクローズアップした絵を描くことに。

色は最初ピンクで描きたかったのに、どうしてもピンクが使えず、グレーを選んだ。描き終えた人からその絵を画用紙から切り抜いて、絵とあそんでみて、と言われる。周りの人のところに行ってもいいわよ、と言われたが、私は自分で描いた女体の絵を誰かに見られることが猛烈に恥ずかしく胸に抱きしめていた。すみれ先生は私のその様子を見て、それにも意味あるね、と言った。

そしてここからが本題。

今描いた絵(切り抜いたやつ)を主人公にした物語を書いてと言う。起承転結のあるストーリーを即興で作れと。

ひぇー!女体が主人公のストーリーなんてどうやって作ればいいんだ?!しかも私は今この絵を誰にも見られたくない恥ずかしいものだと思っているのに、、

という心の声は誰にも伝わることなく、とにかく書くしかない状況に追い込まれていく。

そんな必死の想いのなかで私の頭に浮かんだのは、昔昔、大胆不敵で怖いもの知らずの女体のパイ子ちゃんがいました。

だけだった。笑笑

すみれ先生にそれを伝えると、パイ子ちゃんにそのあと何が起きたか、というアドバイスのような一言をもらったらどういうわけかそのあとの展開は一気に書けた。

そうして、女体のパイ子ちゃんの物語は完成した。笑

みんなが書き終えたところで、それぞれが作った物語の一場面を、色とりどりの綺麗なスカーフや小物(民族楽器のような)などを用いて順番に演じることに。

 

内容が濃い。濃すぎて着いていくのがやっとだったが、ドキドキ恥ずかしくもあり、ワクワクとした面白さもある。すみれ先生のワークショップは素晴らしい。今回も想像を余裕で超えてきた。やらせてもらえる喜び。しかもひとりでは絶対にできないことを人と共に協力して作り上げられるなんて、地球に体験しにきた甲斐しかない。私もこんな体験型ワークショップを主催したい!

 

**

昔昔あるところに、とても大胆不敵で怖いもの知らずの女体のパイ子ちゃんがいました。

パイ子ちゃんはいつも裸で外を歩いていましたが、ほかの女体たちはみな衣を纏っていて、パイ子ちゃんのことを「変わり者」だと思いながらも誰も口には出しませんでした。

ところがそんなある日、ひとりの同じ女体から「パイ子、あなたはなぜ衣を身につけないの?前からずっと思ってたんだけど、私はあなたを見かけるたびにひどく恥ずかしい気持ちにさせられるのよ。みんなもきっとそう思ってるわ。あなたのせいで私たち女体がみんな恥ずかしい思いをしてるのよ!」

パイ子ちゃんは考えたこともなかったことを突然言われ、心底びっくりしてしまいました。そして次の瞬間、裸で歩き回ることはとても恥ずかしいことだと言う感情が胸の内から湧き上がってきたのです。

それからというもの、パイ子ちゃんは衣を人より多く身につけ、人の目を気にし、背中は丸くなり、下ばかり向いて歩くようになりました。あんなに堂々としていたパイ子ちゃんは今ではもう見る影もありません。

パイ子ちゃんは悲しくひとりぼっちの気分で毎日を過ごしていましたが、ある星の綺麗な夜、お星様に「助けて!」と願ったのです。

すると翌日、となり街から来ていた一人の青年と出会いました。その人はパイ子ちゃんをいつの日か見かけたことがあり覚えていました。

「あなたは以前、裸で堂々と歩いていましたよね?なぜ衣を纏うようになったのです?私はあの時声をかけられなかったけど、あなたの裸(女体)はとても美しいと思っていました。裸の時のあなたは全身から輝きを放っていましたよ。今のあなたはあなたではないようだ。」

それを聞いたパイ子ちゃんは、目が覚めたかのように生きる気力が甦ってきました。

『そうだ!私には裸がお似合いだったのよ。誰かのことばや視線なんか気にする必要ないわ。前のように裸で生きていきましょう!!』

そうしてパイ子ちゃんはまた裸に戻り、元気いっぱいに生きていきましたとさ。


おしまい。

 

**

 

私の物語はパイ子ちゃんは私が演じ、いじわるを言う女体役の人、となり街の男性役の人を決め、あとの人は最後の甦ったパイ子ちゃんの喜びを共に祝う役をやってもらった。前回のワークショップで出会ったYさんが男性役をやってくださることになり、すみれ先生の提案で基本全て台詞は無い劇のなか、私の芝居に出てくる男性だけ「あなたの女性の身体は美しい。」という台詞を言ってもらうことになった。

Yさんは長いこと劇団でお芝居をやってきている人だったので、みんなの即興の芝居のなかでも確かな演技力を発揮されていていちいち感動していたのだが、パイ子ちゃんに向かって「あなたの女性の身体は美しい。」と言って抱きしめてくれた時には泣きそうになった。そして、私は予定になかった「ありがとう」という台詞(心の声)を男性にだけ聞こえる小さな声で発していた。

ほかのみんなのお芝居もすごく良かった。うまく言えないけど、それぞれのストーリーを自分という枠を超えてみんなで共有しているような気持ちになった。女に生まれた私たち。女のなかにいる私たちを支える目に見えない存在を感じる体験。

離れ離れになっていたと感じていた存在が本当はずっとそばにいたことに気づいた時、私たち女は本来の輝きを取り戻す。

不思議だけど、昨日あの場に集ったみんなから生まれた物語に共通してそのテーマが隠れていたように思う。

ワークショップが開催された鶯谷という土地の浄化に一役かった気分。ラブホテルに囲まれた一角に元三島神社という神社があり最後にお参りをした。

 

''すべてが本来の姿に還りますように''

小さな祈りは天に届いただろうか。

 

不忍池に封印されてる白龍の解放は、私たちひとりひとりの解放と共に起きるだろう。

 

もう大丈夫。

 

パイ子ちゃんと共に私の自信も甦ってきていた。

 

 

 

それぞれの道の上