シュリ日和

まいにちに生きる

一年




昨年の11月1日に仕込んだ味噌が、一年の歳月をかけて美味しく育った。記念に、茹でたブロッコリーにつけて食べてみたら、とってもおいしくて感動する。仕込んだ当初は『大好きだよー』とか、『おいしく育つんだよー』なんて暇さえあれば声をかけたり、好きな曲を聴かせたりして、愛情たっぷり手塩にかけてたくせに、半年も過ぎると、ほぼ存在も忘れるくらいになり、結局放ったらかしで今日を迎えた。それでも、こんなにいい子に育ってくれて、母としては感無量である。(コラコラ笑)

そう、味噌にとって本当に必要なのは時間だけだった。わたしが育てたのでは無い。時間が育ててくれたのだ。これは味噌だけの話じゃない。何も語らない、何も期待しない、ただ刻々と流れる時間が育てるものは多い。

育っているだろうか?自分も相手も。変わらないように見えて、この先、変わった部分を感じられるのだろうか。



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勤め先の喫茶店に毎週来るおしぼり屋さんがいる。その方は、いい意味で安定感抜群の人で、いつも『最近調子はどうですか?』と聞くと『まあまあです。』とか『ぼちぼちです。』と答える。その言葉に嘘は感じられず、まあまあな状態を常にキープしていることが、ある意味凄いな、といつも思っていた。先月、気まぐれに『今月のラッキーデイはこの日とこの日とこの日ですから、気にして過ごしてみて下さい!』なんて言ってみた。おしぼり屋さんの目の色が少し変わった。

翌週、何かあったか確認すると、『、、特に。』との答え。さらに翌週確認すると、『、、いや別に。』それでも懲りずに聞き続けたが、結局おしぼり屋さんの身に、10月は特にラッキーなことは起きなかったようだった。それなのに、10月最後の配送日にお会いすると、彼の方から『来月のラッキーデイは、無いんですか?』と、聞いてくるではないか!そこでわたしは『11月は全日ラッキーデイなんで、よろしくお願いします☆』なんて、適当なことを言ったら、『本当ですか?』って笑ってくれた。あの安定感抜群な人が、ラッキーデイを気にしながら毎日を過ごすことを想像したら、ちょっと嬉しくなったのだった。

でもね、なんとなくだけど、11月はぜーんぶラッキーデイな氣がしている。ぜんぶだよ。

この記事を読んでくれた人が、毎日ラッキーデイを意識して過ごしてくれたらって想像したら、ふわっと胸が暖かくなるのを感じた。だから、きっと本当になる。良い月にみんなでしよう!


わたしはもう、夢見がちなことばっかり言って生きていこう。夢見がちな自分を、自分がいちばん認めてあげよう。誰かに認められるのを待つんじゃなく、自分がいちばんに、そのまま行っちゃえ!って、応援してあげよう。


そうしよう。






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味噌のお家