シュリ日和

まいにちに生きる

12月5日




12月最初の日曜日。街は人で賑わっていた。

緊急事態宣言が解除されたことで、人出にこんなに影響があるとは思わなかった。個人的にはまったく我関せずで行動していたため、緊急事態宣言のおかげで、''人が少なくていいなぁ〜''なんて呑気に考えていたけど、今日の人出を見たら、''みんな我慢していたんだろうな、''と想像できたし、''外出できるようになって良かったですね、''とも思った。特に、子どもたちが無邪気に走り回ってる姿を見かけた時は、嬉しくなった。

…のだけど、緊急事態宣言を聞き入れてるということは、緊急事態だと思っていたということとも窺える。もしくは、同調圧力(ほぼこっちかも)か。コロナを機に、幻想世界の仕組みに自分で気づけた人もいれば、垂れ流され続ける情報を鵜呑みにして、以前と変わらぬ思考で生きている人もいる。今日の人出の多さを見る限り、後者の方がまだ圧倒的に多いのだろうな、と感じた。電車のなかでスマホをずっと弄ってる母親と、ルービックキューブをずっとやっている父親に挟まれて、小学生の女の子が、微妙な空気を出していた。大人の方が子どもみたいに見える。


出雲大社に行きたいな…って最近思っていたのだけど、東京からはけっこう遠いし、どうしようかと悩んでいたら、以前働いていたお店の近くに、出雲大社の分社があることを思い出した。分社に行こう!と、いまの自分にできることをしよう、と気持ちを切り替えた。更に、伊勢神宮の分社的存在である、東京大神宮へも行くことにする。出雲と伊勢をいっぺんにまわれるなんて、そいつはお得じゃないか。 今年中にお礼参りに行けて安堵。しかも、出雲大社の分社では、この時期(11/28~12/12)だけ特別に、御神塩という、神々が降り立ったとされる神事の地である出雲の稲佐の浜の、お塩が販売されていた。題して、神迎の御砂(かみむかえのみすな)煌めく白が美しい。有難く買わせていただく。知らなかったから、よりラッキーに思えた。浄化パワーが凄そう。これで、一年どころか、何世もの罪穢れを一氣に祓ってもらえるかも。よし!


氣分よく分社をあとにし、近くの商業施設のなかで開催されているクリスマスマーケットへと向かった。人がごった返してる。小さなお店に入るのに長蛇の列。アトラクション待ちしてるかのよう。今の日本人て、並ぶの好きな人ほんと多いよな…って、横目に見ながら静かにフェードアウトした。ここには、わたしの欲しいものはひとつも無かった。

駅へと向かいながら、見上げた空がとても綺麗で、ただの鉄の塊でしかないビル群を全部ぶっ壊して、群れる人間も全部吹き飛ばしたら、この限りなく広がる青空だけが360度見渡せるのにな、、なんて想像しながら歩いていた。その瞬間、わたしがこの世界で信じられるものは、青く美しい空だけだった。


なんか詩的なことを言っちゃった。駅の手間で、ずっと前からある赤い袋のパン屋さんに立ち寄る。フランスパンを買う。お店の人がとっても感じ良くて和んだ。好みの問題かも知れないけど、パン屋さんの袋は赤がいいと思う。わたしは、赤い袋のパン屋が好きなのかも知れない。帰ってから食べたフランスパンは、皮が程よくパリっとしていて、中が白くてちょっとだけモチっとしている、いちばん好きなタイプの味だった。


だからやっぱり、今日も良い一日だった。






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真ん中の水晶玉が氣になった