シュリ日和

まいにちに生きる

生きてる




ゴールデンカムイが最終話を迎えた。

私がこの漫画を知ったのは、約4年ほど前の夏のある日のこと。夢から覚める時に、自分の口からハッキリと『ゴールデンカムイ』と呟く声を聞いたからだ。……ゴールデンカムイ?……ゴールデンカムイってなんだろう?あまりにもハッキリとした発音だったため、すぐに検索したら、実在する漫画だということを知った。予備知識はゼロ。本当に不思議な話だ。

主人公の杉元佐一とアイヌの少女アシリパに、なんだか他人とは思えない親近感を覚えた。私のなかには、杉元もアシリパさんもどっちもいるような感覚。ほんとに変な例えだけど、私のなかの男性性が杉元で、女性性がアシリパさんなんじゃないだろうか?なんてことを真剣に思うほど、感情移入してストーリーにのめり込んだ。……完全にイカれてる。

作者の人の懐が広く、ヤンジャンアプリで全話無料公開してくれたことで、漫画も買わずして読むことができた。昨日は最終話もあっさり読めてしまった。とっても清々しい結末。杉元の台詞に泣く。あまりにもいいシーンだったため、違反行為と知りながらスクショして保存した。

唯一無二の相棒。旅は道連れ。運命共同体。生きるか死ぬかの旅の最中、杉元と共に地獄に落ちる覚悟をしたアシリパさんの顔は誇らしく、最高に格好良かった。アイヌの人のことはよく知らないが、DNAや民族のアイデンティティを決して明け渡すことなく貫いている格好良さだと思う。

しかし、なんであの日の朝、ゴールデンカムイって呟いて目覚めたのだろう。全然わからない。全然わからないけれど、私にとっては意味があった。それがすべてだ。


なんて、久しぶりの挨拶もせずに淡々と文章を書いてしまったが、4月は半ば頃から風邪をこじらせて、長らくダウンしていた。みなさんお元気でしたか?

2022年も前半戦があっという間に過ぎていきそうな気配を感じているが、何もしない日々を続けたことで、私の世界はだいぶ様変わりした。ここ数年、終わらない紆余曲折を繰り返した果てに、ついに、ただ息をしているだけで、何もしていない自分にも価値はあると思えるようになってきたのだ。これがまずは私の目指す境地だった。これができなければ、すべての人に対して同じように価値をおけないと思ったから。

心理学も哲学も、独学で学びを深めたし(前世から学んでる)今の自分ならヒーリングもセラピーもカウンセリングもできる自信しかない。資格は勿論無い。私の師匠は人生で出会ってきた全ての人で、出会ったひとりひとりの人から大事なことを教わったので、みんなが先生だ。好きな人も嫌いな人も平等に価値がある。

学校に通う必要も、通信教育を受ける必要もなかった。教科書、教材、テキスト、特定の先生から成り立つ勉強には、一期一会の生きた学び以上の学びはできないと思うから。

こんな考えはおかしいだろうか?これまでの常識に挑戦状を叩きつけるような気概と愛だけで、ミラクルを起こせないだろうか?懲りずにそんな戯言をいつもいつも頭の中に巡らせている。

何をしてもしなくても、私には価値がある。私だけは私の価値を認めている。私がずっと大切にしてきたものを、お金や人には決して汚すことも奪うこともできない。その自信を失わないためには、咲きつづけることを選ぶしかない。

この世の中で、定期収入を得る仕事がないことは、ほぼ死を意味する。なぜなら、この世は今現在、金で回る世界だからだ。金がなければ、借金ができる。同じやり方でいる以上、一度落ちてから這い上がるのは至難の業だ。

私は自分の人生に挑戦しているのだと思う。どこまで信じたいものを信じ抜けるか。幻想世界の生み出した不安を元に行動するのではなく、喜びを元に動き出して、世界を変える自分に賭けたい。パーフェクトタイミングは必ずくる。強く強く念じている。

誰とも会わない日々の中で、誰かがそばにいてくれた事の奇跡を知った。当たり前じゃない。他愛ない会話や、交わしあった笑顔。渡し合った儚い想いの数々。誰かのために何かができたことは、自分の喜びに他ならなかった。その人がただそこにいてくれただけで、どれほど自分は豊かでいられただろう。

過去出会った人たちの中には、何故か誰にも打ち明けられなかった秘密を私にだけ打ち明けてくれた人がいた。ある人は、結婚前に中絶した過去があることを、ある人は、誰にも言えなかった親に対して抱いてきた複雑な思いを、ある人は、離婚した過去があり、存在を隠している息子がいることを、ある人は、幼い頃母親が交通事故に遭い、面会に行った時に瀕死の母親の姿を見た時の気持ちを、ある人は、家族のために我武者羅に働いて会社で地位のある立場になったはいいが、部下が自殺していくのを目の当たりにして、大手有名企業を辞めたことを、ある人は、ある人は、、。

何故彼らは私に打ち明けたのだろう。たとえ束の間でも、私はその人たちの心に寄り添ってあげることができたのだろうか。その人たちは少しでも私に秘密を打ち明けたことで、心のつかえがとれたのだろうか。聞いて回った訳じゃないのでわからないが、何者でもない私にも、彼らの、秘密という重荷を降ろすお手伝いができていたのであれば、死んだように生きてたと思っていた過去の私が存在してきたことにも光は見い出せる。

これからは自分も楽しみながら、出会う人たちの良いところを引き出して、天性のキラキラ師としての力を発揮していきたい。太陽を輝かせる時代に相応しいやり方を新しい自分でゼロから始める。本来の自分の使命を純度高く遂行することができるならば、神様に見捨てられることは無いだろう。


できることならば、アシリパさんのように、強く、美しく、美学を貫いて、杉元のような相棒と共に奇跡を起こしたい。










手縫いでハンカチを作った