シュリ日和

まいにちに生きる

過ぎゆく




わたしたちは

気づくといつも

何かに向かって

生き始めてしまうから






重なった瞬間だけが無で

永遠につづくものなど

ここには無くて






それを知りたくて

わからないまま

泣きながら

歩き出した昨日も

ぜんぶ静かに過ぎて行った






知りたかったことを

やっと知れたよ






さよなら

昨日までのわたしたち






ひとつの章が

終わりを告げるかのように

ひとひらの夏の花びらが

白い雲の前でゆっくりと舞った






もう探さなくていい

いつまでもここにあるから






しあわせにね






そう笑いあって

両手を振った






どの瞬間にも

もう二度と戻れない

だから人生が輝くのだとしても






わたしがずっと求めていたのは

もっと曖昧で

もっと朧気で

もっとささやかな






野に咲く花のようなものでした






野に咲く花のようなものでした








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白い雲と紅い花