シュリ日和

まいにちに生きる

記憶の清算

 

昔のこと。

私は飛べる!って信じながら空を飛んでいて、ちゃんと飛べているのに、心のどこかで飛べることを信じきれていないから、強く強く、飛べる!って念じつづけるのに、結局落ちてしまい、ジェットコースターが急降下する時のような、あの心臓が浮く感覚と共にハッとして目覚める夢をよく見た。

高校生くらいの頃、実家の部屋ではよく金縛りにあって、自分の首を自分で締めてたことが何度もあった。怖い夢を見て、夢のなかで声を出したいのに声が出せなくて、目が覚める時に『あっ!!!』って言うのも、本当によくあった。

今はそんな怖い夢、まったくと言っていいほど見なくなったけど、今思うとあれは起きてる間に無自覚で受けたストレスの解消のために起こっていたのかもしれない。

 

最近性的搾取の問題に意識がいっていたからか、女の子だった自分の記憶が完全には清算されていないことに気づいた。まだある。ちゃんと見れていない。とても怖い気持ちになって、自分のものか人のものかの区別がつかない。漫画にひどく感情移入して、現実に戻れなくなっている。

 

また私は愛そうとしていた。また私は救おうとしていた。本当に救われるべき記憶のなかの小さな自分を置き去りにして、外側の世界で強く立ち振る舞わなければと、大人になった自分だけで先に進もうとしていた。

 

***

 

 

最初から愛される覚悟がなかったのは

私の方だ

 

今まで私は一体どうやってあの小さな私を守ってきたんだろう

 

何もかも嘘の世界で

どうしたら人間になれたの?

 

もしもあの時ふたりで

この世界から逃げることができていたら

どんな今にいたんだろうね

 

遠回りしてるようで必要な時間

また、『私のことだけ抱きしめて欲しい』って思ってもいいんだよって、私が私に言ってあげられるようになるまでに必要だった時間

 

死ぬまで消えないかも知れない深い傷がどうか癒えるようにと祈りながら

 

 

***

 

強い自分が弱い自分を隠してしまう。

あと一歩前へ進む勇気が必要。

まるごと全部の自分としてじゃなきゃダメ。

 

 

今度こそ

生まれ変わるんだよ。

 

 

 

 

3月の夜の匂いがした