シュリ日和

まいにちに生きる




過去のわたしは、詩を書くことで自己を保って生きてきた。ただ自分の心を支えるためだけに、天から恵のように降り注がれた言ノ葉を大切に寄せ集めて、文字に興した。誰も彼もを信じられなくて、今、息をしている自分という存在さえも信じきれなくて、不安で、孤独で、張り裂けそうな想いを、まるで何もかもお見通しのように、自分の内から生まれてきた詩は、柔らかい真綿のような優しさで、わたしを包んだ。救われたわたしは、今ここで息をしている。その存在のすべてを受け容れられる器に育ったわたしがここにいる。


ここにいる。




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誰かの言葉に共感したり、

感動しても、

それで自分が変わることは無い。


自分の内にあるものだけが、

自分を成長させ、

本当の支えとなる。


そのことを、

詩を書き続けて

僕は知った。



僕は僕の道の上だ、

どんな時も。

苦しみの渦中にいて

喜びを得られるはずがない。

苦しみを味わい尽くして

すこしだけ先に

明かりが見えはじめる。

そして、

やっと次の一歩が踏み出せる。


誰にも助けを求めるな。

そこに答えはないのだから。

惑わされるのは、

自分から逃げようとするからだ。


逃げても無駄だよ。

立ち向かって、傷ついて、

やっとまた次の一歩。

人生は前へしか

進めないのだから。


逃げてる以上、

心は止まって、

時間も止まる。

流れる時間を生きている人と

一緒に生きるには、

お互い辛すぎる。


君と出会って

僕はそのことが

やっと理解できた。


君と僕は似ているね、

自分から逃げきれないところが。

だから、

お互いの存在が

真に響くのだろう。


君は僕で、

僕は君だ。


だから、

この世界で出会えたんだね。


僕がこの世界に生まれた日を

君には思い出して欲しい。

死ぬまでずっと。

僕も君が生まれた日に

君のことを想うだろう。

ほかの誰の、何を忘れていっても

君のことを絶えず想うだろう、


どうしても。


波の音が聞こえる、

君の魂の音。

ここにはいつでも君が在り、

僕を生かしている。

決して止まない波音が

僕の内に満ちている。



僕はいま、

生きている。







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君と生きてきた時間